5月23日(水)

 昼休みに「中庭にいく」
 おむすびとおにぎりは丸か三角の違いだって美魚は言うけれど、最後はいつものように細かい事を気にしちゃいけない、で終わった(笑)
 約束である、『密室』という推理小説を貸してくれたよ(°∀°)

 休み時間は「真人と遊ぶ」事にしようwww
 「やっほー、真人、筋肉、筋肉〜!」
 ↑噂の、真人の横に手を振りながらの筋肉筋肉ktkrwwww何これwwwww
 初見BGMも何これなんですがwwwwwww
 早くクドと一緒にやる所を見たいですwwww
 何か授業中に真人からプロテイン貰っちゃったwww

 夕飯時、クドと美魚という珍しい組み合わせで食事をしている所を見付けたので、「話しかける」事に。
 あ、ルームメイトとしてのお近付きの印って奴か!
 「リキ、実はクラスメイトとチームメイトを掛けたはい・せんすなあめりかん・じょーくです」
 ↑ごめんクド、気付かなかったww
 「なるほど、級友と球友と言うわけですね。確かに高度です」
 ↑そこまで深く考えての発言だったの!?wwww
 そして何故か3人でかけそばをまわし呑みする事になったwww

 夕食後、美魚から借りた文庫を部屋で広げる。
 「ふぅ、筋トレ終了…いい汗かいたぜ。なんだ、珍しいな、読書か?…じゃ、遊べねぇな、と…何をしよ うかな…そうだ、筋トレをしよう!」
 ↑真人が非常に訳が分からないwwwwww
 「筋肉っ、筋肉っ」
 ↑真人のリズム良い鼻息のせいで全然本に集中出来なかったwwww

 

 

5月24日(木)

 休み時間は「中庭にいく」
 真人が五月蝿くて読書が出来なかったと伝えて(笑)
 「では、ここで読みますか?」
 ↑この樹は美魚の居場所なのに、僕が踏み込んでしまっても良いのかな…?
 「……これは、まだちょっと早いですね」と言ってバッグにしまった薄い本が気になる…(°д°)
 そこへ恭介がやってくる。
 僕の手ごとサンドイッチを口に入れた様子を見て、美魚は、「棗さん×直枝さん…いえ、ここは意表をついて直枝さん×棗さんというのも……なるほど、逆転というのも悪くないです」と何やら頷いていたww

 夜の肝試し大会は「美魚」と「小毬」と!
 2人の様子を見ると、割と何とかなりそう?
 …だったのに、途中で美魚が怪談話をするもんだからww
 小毬はトラップに驚き過ぎて失神、美魚も気付けば立ったまま失神ww
 この2人…めちゃくちゃ相性が悪いかもしれない…(°∀°;)

 

 

5月25日(金)

 放課後のグラウンド。
 守備の練習中にクドと葉留佳がぶつかり、葉留佳が捻挫……OTL
 そこへ、美魚が救急箱を持って来て。
 ↑僕に日傘を託し、美魚は葉留佳を手当てしてくれた!
 明日の試合は大丈夫そうみたいで、良かったね、葉留佳(´U`)

 

 

5月28日(月)

 昼休みは「中庭にいく」事にしよう!
 美魚から借りた本を読んでいたら、見事な睡眠不足に(苦笑)
 「気持ちは分かりますが…睡眠はちゃんと取らないといけませんよ」
 これは『安楽椅子探偵(アームチェア・ディテクティブ)』っていうジャンルのミステリーなのか(°д°)
 ↑本の話をする時の美魚の顔が素敵だと思って、思わず顔がにやにや///
 そこへお腹をすかせた真人が登場。
 「お、言ってくれるな、理樹めっ、そうそうこれぐらい鍛えていれば一ヶ月ぐらいなにも食わないでも生きていける」←死ぬだろっwwwwwww

 帰ろうとした所で恭介に声を掛けられる。
 相談事をしたいらしいが、その話の途中で僕の制服についた糸くずを取ってくれて…それが後ろにいた美魚には邪魔しちゃいけないシーンに見えたらしくwwww
 美魚逃走!!www
 意外に足が早く、何とか追いつこうと、「廊下は走っちゃタメだよ」と言うと…?
 美魚が急に止まり、こちらを向いて……そのまま…激突這( ̄□ ̄;
 あ…あれ?美魚…気絶しちゃった…?(汗)
 しかもよりによって姉御に押し倒したみたいな図を見られるww
 …それにしても…右手に触れる位置にそれらしい感触が見られないのですg(ry)
 …と、いきなり目を覚ました美魚。
 何とか謝ったけれど……恭介とのあらぬ誤解が生まれてしまった…ww

 『変わらない』なんて、ない。
 晴れの日が、永遠に続くことがないように。
 今日の確信が、明日には幻になってしまうことがある。
 僕はそれを知っているはずだったのに…


 …という訳で美魚ルートスタートぉΣ(°∀°*)

 昼休み、美魚を誘って中庭へ。
 お昼ご飯を食べ終わるとすぐに読書に熱中してしまう彼女を見て、僕も読書する事にする(°U°)
 そこへ恭介がやって来て、文芸部主催の『輝け!!第10回短歌コンクール〜演歌じゃないよ、短歌だよ』という企画の紙を見せてくれた。
 ↑リトルバスターズは文武両道だ!って所を見せるんだとかww
 この前の本の話と同じように、その人の作品を読みたいと思う事は、やはり『その人』を知りたいと思う事かも知れない…
 僕は、美魚に参加してほしかった。
 「…分かりました、直枝さん…手伝っていただけますか」
 もちろん!頑張ろうね、美魚(*´∀`)

 「なー、理樹ってばよー」
 真人が横で話し掛けてくる中の読書にも慣れた。
 「あれ?おまえの顔ってさ…さかさまにすると、怒った人の顔に見えるんじゃね?」
 「いでっ!いででで!ケツが割れた!1ダースに!」
 「理樹、助けてくれ…ケツが12分割に…本物がどれだかわからない…」
 「参ったぜ…今日は諦めて筋トレしとくか…」
 「ふっ!ほっ!ふっ!」
 真人の掛け声混じる部屋で、僕は読書を続ける。

 それは不思議な話だった…
 構成上、本という虚無の中での現実と空想が混じって、どちらがどちらなのか分からなくなる…
 「そうやって意識しない限り、普段は気にしないってことだよ」
 …現実って何なんだろうなぁ…?

 翌日、美魚に感想を話してみる。
 これは『奇書』と呼ばれる類の小説で、読者の精神に影響を与えるかも知れないって…!
 「現実とは…記憶です」「記憶と過去、そして現実と虚構は容易に入れ替わる不安定な存在です」
 美魚が揺れたような気がした…(´д`)

 短歌の話、恭介から聞いてみんなが集まって来て、結局教室の隅にバスターズが固まる形になってしまったw
 「そうですね、ひとまる、五、七、五、七、七の形式だけ頭に置いて、自由に作ってみると良いのではないでしょうか」
 ↑美魚の言葉に、みんなが黙り込んで考える…
 突然葉留佳が紙を切り出し、短冊型の紙をみんなに回して…あ、みんなで五と七の言葉を書いて、それを適当に組み合わせるって事ね?(°∀°)
 『風光る あなたの傍に 君がいる 真っ赤なブルマ ぼく大巨人!』
 ↑最初良い感じだったのにwwww
 これじゃ駄目だ、だったら順々にみんなで書いて行く事にしよう(汗汗)
 「クド」「小毬」「鈴」「恭介」「真人」に頼んで出来た短歌が…、
 『いざよいの キュートな笑顔で 犬もまあ 上半身だけ おまえをKO』
 ↑「評価などは無粋ですね」wwwwww
 作戦は失敗、結局何も出来ないまま解散(苦笑)

 恭介と真人と商店街へ。
 恭介が買った「学園革命スクレボ」って作品、凄い読みたいんですが(笑)
 歩き慣れた商店街は、いつもと同じ顔をしている…
 変わらないんだ……
 商店街の人の群れ…その中に――知っている顔を見付けた。
 「…西園さん?」
 美魚らしくない笑顔をしたその人…何処か、違和感があった。

 翌日の昼休みも、同じ時間に中庭で美魚とお昼。
 木にもたれて立ったまま(´U`)
 昨日の事を聞いてみるが、人違いだったようで?
 あ、そうか…日傘をしていなかったから変に感じたのか…!
 「その人は、そんなにわたしに似ていましたか」「…どこか、違うところはありませんでしたか…その、日傘以外にも」
 ↑僕にとっては終わった話題なのに、美魚はしつこかった。
 「西園さんが、見せたことのないような…笑顔をしていたよ」
 ↑躊躇いながらも言ってしまうと、それからの美魚は無言だった…

 放課後の短歌作り。
 中々出来ないので、気晴らしに外に出る事にした(・∀・)
 僕達は川原に来ていた。
 “瀬をはやみ 岩にせかるる滝川の われても末に逢わんとぞ思う”
 ↑「いつまでも変わらない気持ちのままで、傍にいるひとたちがいる…きっと、そこがみなさんの居場所なんでしょうね」
 恭介達との事を改めてそう言われ、恥ずかしくなってしまう(苦笑)
 「…わたしにも子供の頃、大切な子がいました」「でも…崇徳院の歌ではありませんが、いつかは再会する日が来るかも知れません…いえ…おそらく、その日はそれほど遠くないでしょう」
 街中で見掛けた美魚そっくりの人かな…
 でも、会いたくない訳じゃないし、寧ろその逆みたいだし…喜ばしい事なのかな?(°д°)
 川原の子供達が飛ばす紙飛行機を見て、あれに乗って何処までも行けたら、と考える…
 ↑ハワイ、だよね!
 美魚の身体が冷え切ってしまったようなので、今日は帰る事に。

 翌日の学校、美魚は休みだった。
 寂しい気持ちでいっぱいの理樹だけど、一つ気になる事があって…
 美魚が本当に影であるかのように、気に止める様子が全くない生徒達…
 確かに美魚には友達が少なかったみたいだけれど…
 その『不在』がきっかけに、何かが動き出すんじゃないだろうか…そんな漠然とした不安が、僕には付きまとう…
 午後になって、午前中を街で過ごす不良の遅刻組から、美魚を見たという目撃談が
 でも、日傘を差していなかったらしい…理樹が前に見たのと同じ…
 放課後に美魚を見舞うと、もう大丈夫そうだった(´U`)
 「次の日曜日に、ちょっとお付き合いいただきたいのです」
 デートではないときっぱり言われるが、最後に「きっと、ですよ」と念押したのが気になる…

 今日は美魚はちゃんと登校したよ!
 美魚の横を素通りして行った友達が気になる…
 そう言えば、今日は短歌コンクールの締め切りだった
 「同じ『自分』でも、時と場合によって感じ方は全然違うものね」
 ↑あの川での話…理樹との合作…違う意味を見出す……美魚はどんなのを作ったのかな?(´U`)
 恥ずかしがって、結局見せてくれなかった…OTL
 発表は来週の水曜日、どんなのを書いたのか、見るのが楽しみだ!

 約束の日曜の朝。
 美魚の私服が想像と違ったが…可愛いΣ(*´Д`)
 まずは美魚の部屋でお茶を飲む事に!
 お茶を入れに行っている間にタンスの中は見るなと言われたのだが、見るなと言われると余計に見たくなってしまうのが人間という物で…つまりは………側に行っちゃったww
 …………!?!!?!?ΣΣΣ(°Д°;)))
 ↑大量の本が流れ出てきて…流れ出てきて……押し潰されそうになった所を何とか美魚に助けてもらった…OTL
 僕が来るからと、散らかっている部屋を急いで片付けてくれたらしいw
 本棚に収まり切らない本をタンスに…w
 今度この本を貸してくれと一冊指し示すと、今持って行ってくれと言う美魚。
 ↑それと一緒にあの大切な美魚自身とも言える本も貸してくれて…
 表情もちょっと変だ…何か…あったのかな…(´・ω・)

 街で一番大きな本屋の前。
 自然と足が本屋に向かって行く美魚…ww
 今日は寄らないつもりだったらしいが、折角だから寄って行こうよ?(´U`)
 ↑美魚の盛り上がりようが半端ないww
 ↑お勧めの本を聞いた時なんか、両手いっぱいに抱えて全部の解説を始めるしww
 どうしてそんなに本が好きなの?
 「『小説が書かれ、そして読まれるのは人生がただ一度であることへの抗議からである』」「…わたしは、二人分の人生を生きるために本を読んできたのかも知れません」
 ↑あの美魚そっくりの子と何か関係があるのかな…

 それから、美魚が食べた事のないというハンバーガーショップに入ったり、ショッピングモール内を回ったり、喫茶店で休んだり…
 最後に行ったのは、美魚が本当に一緒に来たかった場所…海だった。
 「…ここは、終わりの始まる場所ですから」
 ↑今日一日の気分の高揚が嘘みたいに…いや、夢みたいに、美魚は静かだった…
 まだ夏には早い季節…浜辺にいるのは僕達だけ。
 空と海を背景としたそこに溶けてしまいそうで…
 僕は不安になって美魚の手を握った…大丈夫、ここにいる……

 そろそろ帰る時間。
 どうして今日は僕を誘ったのか聞くと、独り言を呟きながら美魚が悩み始めて…
 「…それは、僕のことを好き、だから?」
 ↑あぁ…僕は美魚の事を……
 でも、返答は、耳を塞いで聞きたくなかった言葉…「それは違います」「あなたが覚えている感情は憐情です…恋情ではありません…あなたはわたしに同情しているだけです」
 違う…同情なんかじゃないのに…(´д`)
 「最後にあなたとこの場所に来られて良かった…リトルバスターズ、悪くなかったです。せいぎの味方ではありませんでしたけど、わたしの味方、でした」
 何を言ってるの…?
 本当に…消えてしまうんじゃ……

 白鳥は哀しからずや空の青
 うみのあをにも染まず
 ただよふ

 「…あなた達に出会ってから、わたしの決心はわずかに鈍ってしまっていました…でも、それも今日でお終いです」
 美魚は…泣いていた…
 画面が段々暗くなって行く……OTL

 その少女は、何時の間にか堤防に立っていた。
 『美鳥』と呼ばれた…美魚そっくりの少女…
 「それよりも、もういいのかな お別れの挨拶は終わった?」
 「…はい」
 「そっか、じゃあ行こうか」
 2人の会話が僕には理解出来ない…
 行くって何処に…?(´Д`)
 美鳥は言う…「すぐに『西園さん』は戻ってくるから、ね?」
 笑い方も、日傘も、性格も、喋り方も…違う所はいっぱいあるのに、2人は…同じ…

 影だ。
 夕日を背にしているのに、美鳥の影はこちら側にはないんだ…
 良く見ると…素肌の部分だけ影が…頭の影が…ない……
 「どうかな?これが、美魚の秘密…あたしと美魚、ふたりの秘密なの」
 ↑傘を落とした美魚……地面に映った影には………顔がなかった………
 ああ、2人とも影であり、影がない…本当に何処までも似ていて、何処までも違う2人…
 世界が反転し、僕は意識を失う。
 「…見ないで」
 ↑僕が最後に聞いた言葉だった――

 目覚めは、寮の布団の上だった。
 真人が心配して水をくれる…ここまで美魚が運んで来てくれたらしいね?
 今日は一日美魚と一緒にいて……何があったんだっけ…?(°д°)
 思い出せないなら、大した事じゃないんだろうな…

 翌日の放課後は久しぶりに野球の練習!
 準備運動をしなかった真人が足をつったよww
 真人の手当てをしてほしいと言おうと、僕はグラウンドの隅を向いた……誰に?誰に頼むんだ…?
 夕飯はカレーライス。
 いつものように真人と健吾が絡んでいて…この風景に欠けている物は、何も、ない。
 …何で僕はわざわざそんな事を考えるんだろう…

 今日のお昼は教室でサンドイッチ!
 …昨日も一昨日も、お昼はいつも教室で食べていた…。
 …サンドイッチの味ってこんなだったっけ…?
 中庭…ぽっかり開いたケヤキの木の下…物欲しそうなハト達…
 あれ、この推理小説は…誰かに借りたんだっけ…?
 教科書を探そうと、遊び用の鞄を見ると、中には3冊の文庫本…
 その内の1冊…かなり読み込まれているように見えるそれを、僕は開こうとする手を止める事が出来なかった。

 白鳥は哀しからずや空の青
 うみのあをにも染まず
 ただよふ

 授業で習ったから知ってるんだな、この短歌を……いや、それだけだろうか?
 確か、『この本は、わたしそのものなんです』と言った少女がいた…
 その名は――西園美魚。
 どうして、忘れていたんだろう……(つД`)
 学校に来ていなかった事さえ気付いていなかったんだ…

 真人と健吾に美魚の事を聞くと……教室にいたのは、美鳥――
 みんな、当たり前のように会話してる…
 彼女がそこにいるのが、ずっと続いていたように……
 にしぞのみお。
 その人を僕は知っているが、美鳥がいた風景はずっと前からあったような気もする…
 美鳥であるその人は、西園美魚を名乗っていた。
 可笑しいのは僕なのか、それとも、みんななのか…
 「理樹は、理樹の想い出を信じろ」
 ↑鈴のその言葉を、励みにしたい…

 クドと美魚の寮室に行ってみる…
 誰もいない。
 これは、あの時本屋で勧めてくれた本?
 …あの日…美魚が分かってたんだ、もう自分がここに帰ってこない事が…
 誰も、いない。

 ケヤキの下に美魚がいないかと行ってみるが…いなくて……
 そこへ美鳥が枝から降り立つ。
 「理樹君はまだ、美魚のことを覚えているんだね 他のみんなは、あたしのことを美魚って呼ぶのに」
 美鳥を美魚とは呼びたくない…美鳥が『西園さん』であると認めてしまう事になるんだ…
 美魚は何処にいるの?
 「ねえ…教えてよ…君は何者なんだ」
 「…やっと、それを訊いてくれるんだね」「さて、あたしはだーれだ?」
 そんな事があるのか……美鳥の足元を見ると…やはり制服の影だけしかない…
 君は…「西園さんがなくした…影なんだろう」
 みんな、不思議に思わないんだ。
 影なんて、誰もが当然持ってる物で……

 ああ接吻海そのままに日は行かず
 鳥翔(ま)ひながら
 死(う)せ果てよいま

 真人に『接吻』の意味を聞かれ、目潰し攻撃の事だと適当に言っておくwww
 一瞬の永遠を望んだ歌……美魚のあの本に、ラインが引かれていた部分だ。
 そう言えば…小毬達はどうしてるんだ?
 携帯でみんなに連絡するも、誰も通じない…
 リトルバスターズの5人の存在が残ってるだけ?
 美鳥に、美魚が眼鏡をかけていたのは覚えている?と聞かれ…
 「言葉ひとつで、理樹君の頭の中の過去なんてすぐに置き換わっちゃう」「だから…早く、美魚のことを忘れちゃいなよ」

 昼休みに中庭に誘われ、サンドイッチを食べさせられる……美魚の味だ…
 「お願いだから…西園さんみたいに振る舞うのは、やめてくれっ」
 確かに美鳥のサンドイッチは美魚の味がしたが…認められない…
 そのまま美魚が託してくれたあの本を盗られて。
 「この本さえ読まなきゃ、きっと美魚のことを忘れてくれるよね」
 ……分かった…本がなくても、僕は美魚を絶対に忘れない。

 学年が違う恭介は、まだ今の美魚を見ていないはず…
 でも、西園を見たら俺も他の奴らと同じになるだろう、と答えるだけだった…
 去り際、恭介から久しぶりのミッションを与えられる。
 「理樹。おまえは、おまえを信じろ。俺たちの言葉に頼るな」
 ↑一人だけでも……僕は、美魚を忘れない…

 ある教室の前に通り掛かる。
 片付け中な様子で……短歌の……!?這(°д°;)
 美魚の名前が、ここにあるはずなんだ。
 確かに、あるはず――なんだ。
 あの川原に行って2人で話した事…少しずつ思い出している?
 『西園美魚』…その名前は、一番片隅にあった。
 その人みたいに、目立たない場所にひっそりと飾られていて。

 風に乗り 白い翼で 君と行く
 青の狭間の
 常夏の島

 この瞬間、美魚のBGMが流れてかなり感動したΣ(つД`*)
 この歌は――メッセージだ。

 『紙でできた飛行機なんて…自然の摂理に従えば、いつかは落ちるに決まっています…それでも…その飛行機に乗ってどこかに飛んで行けたら、それは素敵なことかも知れません…直枝さんだったら、どこに行きたいですか?』
 ハワイとか(´U`)

 ごめん。
 君はいた。
 間違いなく、君はいたんだ。
 西園美魚。
 僕は、もう迷わない――

 「僕は決して、君を受け容れない」
 ↑お昼の中庭で、僕は美鳥にはっきりとそう言った。
 「…そっか…何か、あったんだね 美魚のことを信じられる、何かが」「でも、そう簡単にはいかせないよ…忘れさせてあげる」「こうすれば、あっと言う間…あたしだけを、好きになる」
 …そのまま抱きつかれ、唇も奪われる…
 もう一度キスをしようと言われ…
 …今、彼女に従えばそれで終わる。
 最初から全てがそうであったように、丸く収まる。
 「うん…」
 そして、僕は静かにその少女の名を呼ぶ――「美鳥」
 僕は…「僕の知る西園美魚が、好きなんだ」
 ↑ごめんね美鳥、諦めが悪いんだ、僕は。

 …と、美鳥が美魚の居場所のヒントをくれるって…?
 「さて、クイズです。ここには何があるでしょうか」
 ↑空気はみな透明なのに、どうして空は青いのか。
 ↑海も同じ…「『水』は透きとおるほどに澄んでいるのに、『海』と名を変えると青くなる…その青は、どこから来るんだろうね」
 存在しないのに、在る青。
 西園さんは、自分を白鳥に喩えた。
 ならば――青とは何だろう?
 健闘を祈ると行って去ってしまう美鳥。
 「お姉ちゃんを――お願いね」
 ↑この言葉の意味って一体……

 終わりの始まる海。
 でも、美鳥は僕と美魚が会う事を望んでいない…
 美魚は海にいる。
 美鳥の言葉を…本当に、信じて良いのか?(´д`)
 僕が信じるのは、美鳥の…「善意」
 美魚が美鳥の影なのだとしたら、美鳥を信じなければ美魚をも信じない事になる…

 海。
 水をすくっては、青についての試行錯誤をする…
 ふと、後ろに人が立ったような気がした……美魚…?(´д`)
 「まだ…わたしのことを覚えているんですね」
 美鳥が代わりをしているんじゃ駄目なんだ…確かにあの時、西園美魚という一人の少女がいたんだから…
 「西園さんは、ひとりなんかじゃない…僕らが――そして、僕が一緒だから」
 でも、美魚は独りになりたかったんだと言う。
 あの、白鳥のように……
 「『わたし』は、誰でもない『わたし』になるんです」
 どうしてそんなに嬉しそうなの…?
 「解き放たれる、から…」
 「…どうか、お願いです…わたしを、名前も持たないひとりの『わたし』にしてください」
 これは、矛盾した願い。
 「わたしのことは忘れても、わたしの罪だけは忘れないでいてくれますか」
 美鳥は、美魚の妹、そうなんだね…?

 小さい頃の美魚は、ごっこ遊びが大好きで。
 別の『わたし』に憧れて、本の世界を望むようになった…
 その日は、白雪姫ごっこをしていて。
 鏡の中の『わたし』が、返事をしたんだ…
 私は一人。
 …いや、どうして忘れていたの?
 妹の存在を――
 両親には美鳥の姿は見えないから、両親の前ではひとりっこのフリをして。
 でも、それからはずっと二人でごっこ遊びをしていた……

 小学校高学年になって、あるおじさんに美鳥の事を聞かれ…
 嬉しかった、美鳥を認めてくれる人がいてくれて…
 でも…それは病院だったんだね。
 薬を飲み始めてから、美鳥と会える時間がなくなっていき…
 そんな私の様子に、母は喜んでいたようでした…

 そして……、
 「わたしも…美鳥のいない日々が当たり前のようになっていったんです」
 それから、学校であの歌を習い美魚は、一時は気を失うも目覚めと一緒に美鳥の事も思い出したらしい…(´・ω・)
 「海と空のはざまでひとりぼっちに漂う白鳥…それが美鳥のことでなく、他の誰だと言うのでしょうか」
 その日から美魚の影はなくなって、美魚が日傘を差すように。
 美鳥の事を忘れた事を恨んでいるのではないか、すっとそう思っていた。
 「わたしは美鳥に会って、そして――あの子の代わりになりたかった」
 少女は棺の中の世界を選んだ。
 苦痛だらけの現実を捨て、棺の中の世界を望んだ。
 そこは、一人きりの世界。
 棺の扉を閉めるのは僕なんだ…後は僕さえ美魚の事を忘れれば……
 「…永遠に、わたしであり続けること…何者にも犯されず、永遠であること…その方法は唯一、孤独であることなんです」
 それは違うっΣ(つД`)
 「僕が、ここにいる」
 そして――西園さんが、ここにいる。
 決して交わらない…僕らはひとりぼっちなんだ。
 「西園さんが望むまでもなく、僕らは孤独なんだ」
 だから…人は人を好きになる……

 でも、彼女達のうちどちらかを認めれば、どちらかが忘れられる事になる…
 「さようなら、直枝さん」
 ばたん。
 蓋が落ちる重い音がした。
 その瞬間、白い鳥が空に在った。
 大きな翼を広げた鳥は水平線に向かう。
 あれは美魚…僕は見送るしかない……小さくなっていく白い姿を――
 僕は何もないから、『青』になる。
 『青』と『白』は決して混じらない。
 混じらないから、美しい…

 あれ?
 僕はどうして泣いているんだろう……
 涙と共に記憶が消えて行く…
 …駄目だ…忘れちゃ駄目だ……!
 そこに、場違いな携帯の着信音。
 美鳥……まだ覚えている、美魚と美鳥。
 突然電話の美鳥に怒られる(°д°)
 『そんなこと、してる場合じゃないでしょう…泣いてないで、やるべきことがあるんでしょうっ』
 分かってる…美魚をこの世界に連れ戻すんだ…!
 そして、美鳥…今度は、君の存在を忘れない…
 『うんいって…理樹君は、あたしたちの“あを”なんだからっ』
 その言葉を最後に、電話は切られた。
 行かなきゃ…!(`・ω・)

 僕は海に飛び込んだ。
 美魚…君の望む場所は、そんな所じゃない…
 僕が、君の望む場所なんだ…

 どのくらい泳いだだろう…海も空も、自分も…境界が曖昧だ…(苦笑)
 僕は一面の青にいた。
 白鳥…これはきっと美魚だ…(°д°)
 僕が伸ばした手に応えるように、光が射した…
 影が伸びて来る…
 白鳥には手が届かないけれど、この影になら…!

 僕の右手が、白鳥の影を捉えたΣ
 僕らは、決して交わらない。
 それでも僕らは――共にあるんだ…
 もう、二度と離さない…

 「誰か大切な人が傍にいて、初めて人は『自分』になるの」
 孤独になったから、美鳥は満たされた…
 うおぉぉぉΣ美魚と美鳥のやり取りに涙出てきたぁぁああΣΣ(つД`。)
 「じゃあ、影を返すね。今まで貸してくれて、ありがとう」
 「お姉ちゃんが、何時までもあたしが傍にいると思う限りは…あたし達は、ずっと一緒だよ」

 「「これからは…ずっと一緒に」」

 最初に感じたのは、温度だった。
 36.5度。
 それは、人の体温――
 美…魚…?
 うわぁぁぁΣΣこのBGM反則ぅうΣΣΣ(。´Д`。)
 「全然目を覚まさないので、心配…しました」
 あ…影が……戻ってる…!?Σ
 良かったぁ…美魚…(。´∀`)
 美鳥はずっと傍にいる、「これからは、ずっと一緒です」
 一緒……////
 理樹も美魚も、やっとお互いに気持ちを確かめられたね…!
 おっと、理樹は美鳥がファーストキスで、美魚は理樹の人工呼吸が初めてってww
 「あなたと一緒なら、わたしはこのままでいられるように思います…もう、『わたし』を見失わない…あなたを好きな、西園美魚です」
 その笑顔がいつまでも君と共にありますように――

 帰り道。
 茜色に沈む夕陽が、僕らの前に影を作る。
 影は長いんだよ、美魚?(´U`)
 それからの日常に、変わった事は何もない。
 美鳥の事を覚えているのは僕と美魚の2人だけ。
 美魚は、もう日傘を差さなくなった…
 でも、思い出は日傘と一緒に…ちゃんと部屋に…///
 お昼はいつもの中庭で。
 時間がどれだけ経とうとも、僕という青、美魚という日…

 白鳥は哀しからずや空の青
 うみのあをにも染まず
 ただよふ

 「「これからは…ずっと一緒に」」

 美魚ルートEND

 

 

 もう1回やり直してー。

 海から帰って来たその夜。
 僕の部屋に美魚が来て…話があるって?(°д°)
 「見てほしいんです」「…確かめてください…『わたし』を。わたし達を、見てください…この…体を見てください」
 ↑ちょっwww意外にもそんな風に美魚が誘ってくるとかwwwww

 ……美魚…綺麗だなぁ…/////
 西園さん、ではなく、美魚。
 そう呼んで…僕達は繋がったんだ……////

 美魚ルートEND

 

 

 美鳥が僕に美魚の居場所のヒントを教えてくれた時。
 信じるのは、美鳥の…「悪意」
 美鳥の目的は『西園さん』になる事…僕を美魚に会わせたくないはず(`・ω・)
 一番有り得そうな答えに飛びついても、きっと美魚はそこにいない…

 中庭のケヤキの下にはいなくて…教室にも、グラウンドにも、商店街にも…
 みんな、無関心だ。
 誰も、いない…
 何処を探しても、美魚は影も形もなかった…
 ……会いたい………誰に…?

 寮の前に、会いたいその人がいた。
 「ずっと、探してた」……美魚(美鳥)……
 そのまま想いを伝える。
 「…本当に、あたしでいいの?」
 ↑リアルの私にとっては全然良くない展開ですww
 僕は頷く、美魚を信じて。
 そのキスは、冷たい味がした……

 美鳥と一緒にいるようになってから、どのくらい日が経った?
 何時日が昇って、何時沈んでいるかすら、良く分からなくなっている…
 ああ、そんな事はどうでも良いか。
 今が良いなら、それで、良いじゃないか。
 2人は…繋がってるんだ……
 ↑美鳥との、何か『BALDR FORCE』の月菜を思い出す物だったww

 リトルバスターズの面々は、もう、ぼんやりとしか思い出せない。
 僕らは、ふたりきりで幸せだから。
 他には誰もいらない…今日もこれで終わりのはずだった……
 「…そろそろ、時間切れみたい」
 どういう事?美魚は君だろ?
 「…もう、忘れちゃったんだ」「…忘れたことも、忘れたんだね」
 言ってる意味が分からないよ…(´д`)
 「…いまさら言っても無駄だよね…君は間違ってしまったんだから…幕を閉じた舞台から、役者は去らなきゃいけない…あたしも、…そして理樹君も」
 思考が追い付かないうちに眠気が襲って来る…
 はるか昔、やっぱりこんな事があったような気がした。
 「お休み、理樹君…そして、バイバイ」

 …僕は一人で朝を迎えた。
 ずっと前から僕は一人、そして、これからも…
 偽りが支配する世界でも、確かに信じなきゃいけない事があったんだ。
 例えば、それは『愛』という言葉で表現される物だ。
 次はお前が間違わぬよう、俺達は願うよ――

 

 

 美魚ルート全部終わったぁΣΣ(°∀°)
 『カゲナシ』…そんなに奥深い言葉だったんですね…
 今回、『歯車』って単語出たっけか…?
 美鳥は最後まで私的に受け付けなかったけれど、美魚はかなりのお気に入りとなりました(笑)
 よーし、次は鈴1回目だ!!